和光市駅前かわはら内視鏡・消化器内科クリニック院長の川原洋輔です。
本日は『大腸がん』についてお話しします。
厚生労働省が2022年9月に公表した2021年の人口動態統計のがんによる死亡数では
大腸がんは部位別では男性で2位、女性では1位となっており、増加傾向を認めております。
『大腸がん死』を減らすために必要なことはやはり健康診断です。
便潜血検査、そう検便ですね。
この検査は便をスティックですくって検査するだけの非侵襲的なスクリーニング検査です。
肉眼では確認できない出血を調べることができます。
便潜血陽性となった方は消化器内科を受診して大腸カメラを受ける必要があります。
しかし・・・
オリンパス株式会社が、全都道府県別の30〜60代の男女計18,800人を対象に調査を実施し、「胃・大腸がん検診と内視鏡検査に関する意識調査白書 2021」としてまとめておりますが、そちらによると
•大腸がん検診(便潜血検査)を毎年受診している人は42.7%
•最も受診率が少ないのは40代女性(35.2%)であり、女性は男性に比べ、全年代で受診率が低かった
•便潜血検査実施者のうち21.4%に陽性の経験があるが、そのうち14.4%が「精密検査を受けていない」
理由:「痔の出血かも」「自覚症状がないから」などの自己判断が多い
このような結果が示されております。
検査を受けている人も少ないですし、検査で陽性となっても精密検査を受けていない方々もおられるようです。
外来でも自覚症状がないと「昔から痔があるから」「固い便でおしりがきれたんだ」と仰る患者様も多いです。
自分に都合の良い解釈はせず必ず精密検査を受けましょう。
まとめ
大腸がん死を減らすために健康診断の『便潜血検査』は必ず提出しましょう。
便潜血陽性が1回でも陽性の場合、『大腸がん』や『大腸ポリープ』がある可能性があります。
その際は消化器内科を受診し大腸カメラを受けてください。
大腸がん死を減らしていきましょう。