「大腸カメラ検査はなぜ必要なのか」
大腸カメラ検査は、病気の早期発見に欠かせない検査方法ですが、実際の検査の必要性に関してご存じない方も多いのではないでしょうか。こちらの記事では、大腸カメラ検査の必要性や、どんな病変を発見できるのかについて詳しく解説していきます。
目次
- なぜ大腸カメラ検査が必要なのか
- 大腸カメラ検査はどんな時に受ける検査?
- 大腸カメラ検査のメリットと注意点
- 大腸カメラ検査ではどんな病気を見つけられるの?
- 当院の大腸カメラ検査の特徴
- 大腸カメラ検査の流れ
- まとめ
- なぜ大腸カメラ検査が必要なのか
- 日本における「大腸がん」の現状
癌は日本人の死因の中で最も一般的で、約三人に一人が癌で亡くなっています。その中でも、大腸がんは肺がんに次いで死亡数が2番目に多い病気です。大腸がんの発生率は40歳から徐々に高くなり、60歳代でピークを迎えます。大腸がんは初期段階では症状がほとんど見られないため、気付いた時には手遅れの場合もあります。しかし、大腸がんや胃がんは早期に発見し、すぐに治療を開始することで、完治の可能性が大幅に上がります。そのために、定期的に内視鏡検査を受けることが重要です。
(※ 出典: 国立研究開発法人国立がん研究センター「最新がん統計のまとめ」より)
(「がん統計」国立がん研究センターより作図)
一般的な健康診断や大腸がん検診では、2日分の便の中に血液が混じっているかどうかを調べる「便潜血検査」を行う検査のみとなっているため、癌を初期のポリープの段階で発見することは難しく、早期発見という観点においては不十分です。
大腸カメラ検査では、先端にカメラが付いた細長いスコープを腸内に挿入し、実際の映像でポリープの有無や腸内の状態を直接観察することができるため、早期発見・早期治療のためには、内視鏡検査を受けることが必須です。
- 大腸カメラ検査はどんな時に受ける検査?
大腸カメラ検査は下記のような時に受ける必要があります。
- 腹痛・下痢・便秘・血便など、自覚症状がある時
腹痛や下痢、血便、便秘などの症状が繰り返される場合は、潰瘍性大腸炎やクローン病、大腸がんの可能性があります。ただの腹痛や便秘だと自己判断し、発見と治療が遅れてしまうと、手遅れになりかねません。末期の状態になると、他臓器への転移が生じたり、がん組織からの出血を引き起こす可能性が高くなります。
また、血便の症状がある方も、大腸がんや潰瘍性大腸炎、虚血性大腸炎などの大腸における病気や、痔や食あたりなどの細菌による腸内の炎症など、様々な原因の可能性があります。これらは出血している部位や粘膜の性状、組織検査、培養検査で診断ができます。
何らかの症状を長く繰り返す方は、早急に大腸カメラ検査を受けることを推奨します。
- 大腸がん検診にて「陽性」と診断された時や、大腸がん検診を受けていない、または「陰性」と診断された時
- 大腸がん検診を受けたことがある方
大腸がん検診を最近受けて、その際、便潜血陽性と診断された方は、大腸カメラ検査を受けることを推奨しております(保険適用内です。)
- 大腸がん検診を受けたことが無い方・受けた結果が陰性だった方
大腸がん検診を受けたご経験が無い方や、受けた結果が陰性だった方は、貧血であると診断されていないかご確認ください。貧血の診断を受けていた場合、大腸カメラ検査を受けることを推奨しております。大腸がんがあっても、便潜血検査が陰性になってしまう場合もあることから、気になる方はご相談ください。
- 下記の生活習慣がある方
下記の生活習慣に該当される方は、大腸がんを患うリスクがあります。
一度、大腸カメラ検査を受けることを推奨します。
- 運動不足
- 肥満傾向である
- 喫煙の習慣がある
- 飲酒の習慣がある
- 肉類を食べることが多い
- 糖尿病を患っている
- 大腸カメラ検査の長所と短所
大腸カメラ検査を受ける上で、下記のようなメリットと注意点があります。
- メリット
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- 直接的に腸内を見ることができる
内視鏡スコープの先端に付いているカメラで、腸内の状態をリアルタイムに目視することできます。肛門から盲腸に至るまで気になる部分をしっかり確認でき、画像を撮影することも可能です。
- 検査をしながら生検を行える(ポリープを切除できる)
仮に、検査中に腫瘍やポリープを発見したら生検・切除を行うことが可能です。生検とは、専門器具で組織の一部を採取することです。
検査中に生検した組織は病理検査へ回し、良性か悪性かを詳しく精査します。
- 鎮静剤を服用することで、寝てる間に検査が終わる
内視鏡検査を行う際、痛みが心配で不安な思いを抱かれている方が多いかと思います。医療機関によっては、鎮静剤を内服することで、眠った状態で検査を終了することができます。
- 注意点
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- 内視鏡カメラで見ることが難しい部位がある
大腸の内側にはヒダが広がっていることから、死角が生じ、大腸カメラ検査を行う上で、病変の見落としをしてしまう可能性があります。
このような見落としを少しでも軽減できるよう、当院では、大腸内に二酸化炭素を送気して膨らませることで、ヒダによる死角を無くし、安全性が高くスムーズな検査を行っております。
- 医師の技術が一定でない
大腸カメラ検査は、医師のスキルや経験値に差が出やすい検査です。内視鏡検査を行っている医療機関なら、どこの医師が検査を行っても差は無いとお思いの方が多いかと思いますが、曲がった腸内で内視鏡スコープを扱うための高いスキルが必要であり、患者様に不快感を与えずに検査を終了させるには、医師の経験値も重要です。当院では、研鑽を積んだ内視鏡専門医が、患者様の心身へのご負担を最小限にするよう、きめ細かい配慮の上、大学病院と同等以上のクオリティの検査を行っています。
- 鎮静剤を使用した場合は当日の運転が出来ない
大腸カメラ検査を行う際に、鎮静剤を服用された方は、当日の自動車・オートバイ・自転車などの運転はできませんので、ご注意ください。
- 大腸カメラ検査ではどんな病気を見つけられるの?
大腸カメラ検査によって下記のような多くの病気を発見することができます。
また、その疾患は「腫瘍性疾患」と「炎症性疾患」に分別することができます。
- 腫瘍性疾患
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- 大腸ポリープ
- 大腸がん・進行大腸がん
- 直腸カルチノイド
- 大腸粘膜下腫瘍
- 炎症性疾患
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- 潰瘍性大腸炎
- 虚血性大腸炎
- クローン病
- ベーチェット病
- 当院の大腸カメラ検査の特徴
当院の大腸カメラ検査は、下記のような特徴があります。
- 研鑽を積んだ内視鏡専門医による検査
- 女性医師による大腸カメラ検査
- 軸保持短縮法という高度な挿入法で大幅に苦痛を軽減
- 鎮静剤を使用して楽に検査が受けられる
- 最新内視鏡システムを導入
- 検査中に前がん病変の大腸ポリープ切除も可能
- 膨満感を解消する炭酸ガス送気
- 下剤服用を院内で実施可能
- 横になったままリカバリールームへ移動
- 胃カメラと大腸カメラの同日検査が可能
- モーニング大腸カメラ対応
- 腸管洗浄剤が選択可能
- 日曜の内視鏡検査を実施
当院の大腸カメラ検査の特徴の詳細は下記よりご覧頂けます。
https://www.wakoshi-naishikyo.com/colonoscopy/#03
- 大腸カメラ検査の流れ
当院の大腸カメラ検査では、下記の流れで検査を受けて頂きます。
- 事前診察
大腸カメラ検査や大腸ポリープ切除に関してや、検査後の制限等の詳しいご説明を行います。また、普段服用されているお薬に関して、検査前日や当日の服用の仕方や服用の可否に関しても、分かりやすくご説明致します。
- 検査前日
検査前日は検査食を推奨しております。夜21時までにお召し上がりください。就寝前には下剤を服用してください。また、検査後までは絶食となりますが、コーヒー・牛乳・アルコール以外の、当分を含まない透明な水や薄いお茶等を摂るようにしてください。
- 当日朝
朝食は食べずにご来院ください。水分の摂取は、水やお茶でしたら飲んで頂いて結構です。下剤は、事前の診察時にお伝えした時間に飲み始めて頂き、便意が落ち着きましたらご来院ください。院内で下剤を服用される場合は、朝食を食べずに指定されたお時間にご来院ください。
- ご来院
受け付けをされた後は、当院でご用意した検査着に着替えて頂きます。
また、鎮静剤を服用される場合は、まずルートを確保(点滴を行い)した上で、検査直前に鎮静剤の投与を行います。
- 検査
大腸カメラ検査にかかる所要時間は、6〜10分程度です。検査の途中でポリープを発見した際は、その場で切除や生検を行うため、その場合の総所要時間は20分以上かかることもあります。また、検査に当たって鎮静剤を服用された場合は、検査後に1時間程度、リカバリールームでお休み頂いております。
- 検査後
検査終了後、検査結果を分かりやすくご説明致します。気になる点やご質問等ございましたら何でもお伺いください。
ポリープを切除した場合や病理検査を行った場合は、検査結果が出るのが後日となりますので、改めてご来院頂いてご説明致します。
なお、ポリープ切除治療を行った場合には、数日〜1週間程度は、食事内容・禁酒・長距離移動・運動・入浴などに関する制限を守って頂く必要がございます。
当院の大腸カメラ検査の流れに関する詳細は下記よりご覧頂けます。
https://www.soen-naika.com/colon/#a05
- まとめ
本記事では、大腸カメラ検査の必要性についてご紹介しました。
まとめると、
- 大腸がんの罹患者・死亡者が多い現在の日本において、大腸カメラ検査を受ける必要性は年齢と共に高くなっています。
- 「腹痛・便秘・血便など」の自覚症状がある際や「便潜血陽性」と診断された際などは大腸カメラ検査を受けることを推奨しております。
- 当院の大腸カメラ検査では、患者様に安心して受けて頂くために様々な配慮をしております。
以上が「大腸カメラ検査の必要性」についてでした。
こちらの記事によって大腸カメラ検査を受ける際の参考にしていただけたら幸いです。
当院の大腸カメラ検査を受けることをご検討されている方は、下記より詳細をご覧頂けます。
https://www.wakoshi-naishikyo.com/colonoscopy/
最後までご覧頂き、ありがとうございました。