便潜血検査陽性に
なってしまうケース
便潜血検査が陽性になる理由は様々ですが、最も一般的なのは消化管内の出血です。この出血は、肉眼では見えない微小なものであるため、便潜血検査で初めて発見されることが多いです。便潜血検査は、特に大腸がんやポリープなどの早期発見に有効です。しかし、陽性反応が出たからと言って必ずしも重大な病気があるわけではなく、一時的な要因や良性の問題であることもあります。
一例として、痔や裂肛などの肛門周囲の問題が挙げられます。これらは日常的に起こり得るもので、多くの場合、一時的なものであり、特に心配する必要はありません。しかし、こうした出血も便潜血検査で陽性反応を示すことがあります。便の硬さや排便時の力みが原因で出血することもあるため、日常生活の中で適度な水分摂取や食物繊維の摂取を心がけることが大切です。
さらに、消化管の上部からの出血も便潜血検査で検出されることがあります。例えば、胃や十二指腸の潰瘍や炎症が原因で出血することがあります。これらの場合、便は黒くタール状になることが多く、胃痛や不快感が伴うことがあります。このような症状がある場合は、早急に医療機関を受診することをおすすめいたします。
一部の食品や薬物も便潜血検査に影響を与えることがあります。例えば、赤身肉や鉄分サプリメントの摂取は検査結果に影響を与える可能性があります。また、アスピリンや非ステロイド性抗炎症薬（NSAIDs）などの薬物も消化管からの出血を引き起こすことがあるため、服用中の薬物については医師に相談することが重要です。
以上のように、便潜血検査が陽性となるケースは多岐にわたります。陽性反応が出た場合でも、必ずしも重大な病気があるわけではありませんが、適切な診断と治療を受けるためには専門医の診察を受けることが不可欠です。
便潜血陽性で考えられる病気
便潜血検査が陽性となった場合、いくつかの病気が考えられます。最も懸念されるのは大腸がんです。大腸がんは初期症状がほとんどないため、定期的な便潜血検査が重要です。便潜血検査で陽性反応が出た場合、早期発見に繋がる可能性が高まり、治療の成功率も向上します。
もう一つ考えられるのは大腸ポリープです。ポリープは大腸内の小さな腫瘍で、多くの場合は良性ですが、放置するとがん化するリスクがあります。ポリープの早期発見と除去は、大腸がんの予防に繋がります。便潜血検査で陽性となった場合、内視鏡検査を行い、ポリープの有無を確認することが一般的です。
さらに、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患も便潜血陽性の原因となります。これらの病気は、腸内の慢性的な炎症を引き起こし、出血を伴うことが多いです。症状としては腹痛や下痢が見られることが多く、便潜血検査で陽性反応が出た場合は、専門的な検査をしないと確定する判断が出来ません。
胃や十二指腸の潰瘍も便潜血陽性の一因となります。これらの潰瘍は、胃酸やピロリ菌の感染などが原因で発生し、出血を伴うことがあります。便潜血検査で陽性反応が出た場合、上部消化管内視鏡検査を行い、潰瘍の有無を確認することが一般的です。
また、消化管の感染症や寄生虫感染も便潜血陽性の原因となることがあります。これらの感染症は、消化管内の炎症や出血を引き起こし、便潜血検査で陽性と出ることがあります。症状としては下痢や腹痛が見られることが多く、適切な診断と治療が必要です。
便潜血陽性となった場合の危険性
便潜血検査が陽性となった場合、そのまま放置することは実は大変危険な可能性があります。
まず最初に考えられるのは、大腸がんのリスクです。大腸がんは早期発見が非常に重要であり、便潜血検査はその第一歩です。陽性反応が出た場合、内視鏡検査などの精密検査を受けることで、早期の大腸がんを発見し、早期治療が可能となります。放置すると、がんが進行し、治療が困難になる恐れがあります。
さらに、良性のポリープがある場合でも、放置することでがん化するリスクがあります。ポリープは初期には症状が出にくいため、便潜血検査で陽性反応が出た際に、内視鏡検査を受けて取り除くことが推奨されます。これにより、大腸がんの予防につながります。
また、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患（IBD）も無視できません。これらの病気は慢性的な腸の炎症を引き起こし、放置すると重篤な合併症を引き起こす可能性があります。例えば、大腸の狭窄や穿孔、あるいは中毒性巨大結腸症などの重篤な状態に進行することがあります。これらの病気は早期の診断と治療が不可欠であり、便潜血検査の陽性反応はその発見のきっかけとなります。
胃や十二指腸の潰瘍も見逃してはいけない病状です。これらの潰瘍は出血を伴うことが多く、放置すると消化管出血や穿孔などの重大な合併症を引き起こす可能性があります。便潜血検査で陽性反応が出た場合、上部消化管内視鏡検査も併せて受け、適切な治療を受けることが必要です。
便潜血陽性と言われたら
便潜血検査で陽性と診断された場合、その次のステップとして重要なのは、消化管に専門性のある医療機関へ受診することです。まず、陽性反応が出たという事実は、消化管のどこかに出血がある可能性を示していますが、それが必ずしも重篤な病気を意味するわけではありません。落ち着いて医療機関を探しましょう。
当院に受診いただいた場合多くの場合、便潜血検査の結果をもとに、追加の検査や内視鏡検査を提案いたします。内視鏡検査は、大腸や胃の内部を直接観察することができるため、出血の原因を特定するのに非常に有効です。内視鏡検査によって、ポリープや潰瘍、大腸がんなどの異常を発見することができます。
また、陽性反応が出たからと言ってすぐに心配する必要はありません。多くのケースでは、痔や一時的な消化管の炎症が原因で陽性反応が出ることがあります。このため、まずは医師の指示に従い、必要な検査を受けることが大切です。
検査結果を待つ間、自分自身でできることもいくつかあります。食生活の見直しや生活習慣の改善を図ることです。特に食物繊維を多く含む食品を摂取し、適度な運動を行うことで、消化管の健康を保つことができます。また、便秘や下痢などの腸のトラブルを避けるために、十分な水分摂取も心がけましょう。
もし内視鏡検査の結果、ポリープが見つかった場合、多くはその場で除去することができます。当院では日帰りでポリープ除去をしておりますので、身体への負担も少なくなっています。またポリープの除去は、大腸がんの予防に非常に効果的です。定期的な検査とポリープの早期発見・除去が、健康維持のためのポイントです。
当院の大腸カメラ検査の特徴
当院では、消化器診療・内視鏡検査に特化した医療機関として、患者様に安心と安全を高い品質で提供ができるように様々な取り組みを行っております。便潜血検査にて陽性と診断された方や、内視鏡検査を受けることを検討されている方は、下記より詳細をご確認下さい。
