胃カメラ検査を受ける際の食事
胃カメラ検査では、胃に食べ物が少しでも残っていると見落としを起こす可能性があり、正確な検査ができません。検査前日には胃の中に残りにくく、消化しやすいものを食べるといった注意が必要です。また、前日の夕食後は、検査終了まで絶食します。水分補給は可能ですが、水や薄いお茶など糖分を含まず透明なもので行ってください。
検査前日以前
3日前から過度の飲酒や油分の多い食事を控えてください。それ以外の食事制限は特にありません。
検査前日
前日の21時までに夕食をとり、それ以降は検査終了まで絶食となります。水分摂取は可能ですが、糖分を含まない透明で色の薄い水や薄いお茶などを飲むようにしてください。
夕食は、素うどん、白かゆ、塩むすび、具の入っていないスープ、ゼリー、豆腐など、消化しやすく、繊維や脂肪分が少ないものが適しています。控える必要がある食べ物は、肉、油もの、キノコ、豆、野菜、果物、海藻、乳製品、ジャム、ゴマをはじめとしたナッツや粒状の食品などがあります。
検査当日
検査当日の朝は食事をとらずにご来院ください。水や薄いお茶など糖分を含まず透明な飲物で水分補給を行います。コーヒー・牛乳・ジュースなど、色が付いている飲物、繊維などが胃に残ってしまう可能性のある飲物は飲まないようご注意ください。
検査後
食事は検査終了1時間後から可能になります。ただし、検査では苦痛を最小限に抑えるためにのどへ局所麻酔を行っていますので、その影響が残っていないか調べるために、最初は少量の水を口に含んでゆっくり飲み、むせたり、感覚がないなどが残ったりしていないかを確かめることが重要です。
検査後の食事は、油ものを避け、食べ過ぎないようにしてください。なお、検査中に組織採取を行った場合には、消化しやすいものを食べ、油ものだけでなく、アルコールや唐辛子のように刺激の強い香辛料を避けましょう。
大腸カメラ検査を受ける場合の食事
大腸の中には便がたまっていますので、これをきれいにしないと正確な検査はできないだけでなく、スコープの挿入も困難になります。消化管の出口に近い大腸をきれいにするためには、検査数日前から大腸に残りやすい食品を避けた食事をして、前日には消化しやすい食品だけをとることが重要になります。当院では適した食事が手軽に可能になる検査食もご用意しています。
検査前日まで
大腸内視鏡検査の4日程度前になったら、過度のアルコール摂取を控え、食物繊維の多いもの・乳製品・油ものを控えます。野菜は少なめにとり、キノコ・コンニャク・海藻、牛乳・チーズ・揚げ物などは控えるようにします。また消化の悪い、玄米、パスタ、ハム・ソーセージなども避けてください。
検査前日
夕食は前日の21時までにとり、それ以降は検査終了まで絶食となります。夕食は、素うどん、塩むすび、白かゆ、具の入っていない透明なスープや出汁、ゼリーなど、繊維や脂肪分が少なく消化しやすいものをとるようにしてください。避ける必要がある食品は、イチゴやキウイなどの果物やジャム、ゴマなどの細かい種、繊維・種・皮の残る野菜、コンニャク・海藻・キノコ、乳製品、ソバ、枝豆、ラーメン、油ものなどです。水分補給は可能ですが、色が薄く透明で糖分を含まないものを飲むようにしてください。前日もアルコール摂取は厳禁です。
検査当日
当日は朝食をとらずにご来院ください。水分補給は可能ですが、色が薄く透明で糖分を含まないものを飲むようにしてください。濃い色の飲物や繊維が残る可能性があるコーヒー、牛乳、ジュースなどは飲まないようにしてください。
なお、糖尿病の治療薬を服用すると低血糖を起こす可能性がありますので、一般的に当日は休薬となります。インスリン注射に関しても同様です。事前診療の際に服薬や休薬について詳しくお伝えしますので、糖尿病以外でも普段お薬を飲んでいる方は事前診療時に受けた指示を守って服薬・休薬してください。
検査後
検査終了後の食事制限は特にありませんが、数日の食事制限を行った後ですので、消化管に強い刺激を与えないためにも最初は消化しやすいものを食べ過ぎない程度にとるようにしましょう。
検査中に大腸ポリープ切除を受けた場合
大腸カメラ検査中に前がん病変の大腸ポリープ切除を行った場合には、出血や穿孔などの偶発症リスクを下げ、早く回復できるよう1週間程度、食事をはじめとした制限があります。
食事
脂肪分の多い食品、大量の食物繊維、消化しにくいもの、刺激が強い香辛料、アルコール摂取を控えます。
食事以外の制限
入浴
当日は軽いシャワーが可能です。翌日から入浴可能になりますが、長湯やサウナは1週間程度控えます。
運動
腹圧がかかると出血など合併症のリスクが高くなりますので、軽い散歩以外のスポーツや腹圧がかかるトレーニング、重い荷物を持つなどの力仕事を1週間程度控えます。
長距離移動
旅行や出張、長時間の運転は出血などの合併症リスクとなりますので、1週間程度避けていただきます。また、気圧変化が大きい飛行機は短時間でも危険です。
注意
抗血小板薬・抗凝固薬といったいわゆる「血液サラサラの薬」を服用されている場合、事前の休薬ができないと日帰りポリープ切除手術ができない場合があります。大腸カメラ検査を受ける前に主治医と必ず相談して、対応を決める必要があります、決して自己判断で休薬しないでください。
消化しやすい食べ物、しにくい食べ物
消化しやすいのは、消化管にとどまる時間が短い食べ物です。他にも、血糖値が急激に上昇しやすく、次に空腹を感じるまでの時間が短く、食物繊維が少ないという特徴を持っています。消化しにくい食べ物は、消化管にとどまる時間が長く、血糖値の上昇も緩やかで、腹持ちがよく、食物繊維が多いという特徴があります。また、調理法では、煮込む・蒸すなどは消化しやすくなり、フライやカツ、天ぷらなどの油ものは消化しにくくなります。
消化しやすい主食
白かゆ、煮込んだ素うどん、食パン
消化しにくい主食
炒飯、菓子パン・惣菜パン、ラーメン、焼きそば、餅、パスタ、ソバ、コーンフレーク、玄米
消化しやすい魚介類・肉類
白身魚、牡蠣、はんぺん、煮魚、鍋物、ヒレ肉・赤身肉、鶏ささみ、皮のない鶏肉
消化しにくい魚介類・肉類
青魚、脂が多いウナギなどの魚、イカ・タコ、牡蠣以外の貝、ハム・ソーセージ、脂肪の多い肉、ホルモン、揚げ物
消化しやすい卵料理
半熟卵、卵豆腐、茶碗蒸し、卵とじ
消化しにくい卵料理
固ゆで卵、目玉焼き、生卵
消化しやすい豆製品
豆腐、みそ、高野豆腐、ひきわり納豆
消化しにくい豆製品
枝豆、納豆、がんもどき、油揚げ
消化しやすい野菜など
ホウレンソウ、かぼちゃ、玉ねぎ、キャベツ、白菜、カブ、大根、じゃがいも、長いも
消化しにくい野菜など
ごぼう、レンコン、たけのこ、セロリ、さつまいも、トウモロコシ、コンニャク、白滝、キノコ、海藻、香辛料やハーブ
消化しやすい果物
バナナ、リンゴ
消化しにくい果物
キウイ、イチゴ、ミカンなどの柑橘、スイカ、ドライフルーツ
消化しやすいお菓子・スナック
プリン、ゼリー、ヨーグルト、カステラ
消化しにくいお菓子・スナック
ケーキ、チョコレート、ジャム、せんべいやあられ、ナッツ